ゲームのヴァレ

ゲームが生きがいのひとり言。

星空と「アマミン」

何年か前に仕事でほとほと疲れていた時があった。

 

寝ても覚めても仕事仕事。夢の中ではどこか神殿の様な中で祀られているであろう剣の前で仕事をしていた。

 

プライベートでも問題を抱え、日に眠れる時間は3〜4時間。毎日途中で目が覚めてしまい、それは今でも治らない。「睡眠負債」という言葉がまんま当てはまる。

 

10分程休めば多少は元気になるので、それで身体が「十分寝た」と思い込み、それ以上休もうとしないのだ。今も気をつけないと「眠い」と言うのがどう言う事か分からない時がある。

 

それでもゲームは止めなかった。

自分でもわからない。なぜこんなにゲームに明け暮れているのだろう。

 

その日も寝付こうとしたが、やはり目が覚めてしまい寝つく事は出来なかった。

 

その日は大層な大雨で、夜中降りっぱなしだった。

電柱の蛍光灯が濃い霧の様に包まれいつもの明る過ぎる光がモヤの中に埋もれていた。

 

星空でも眺めたいのだが、神さまが許して頂けない様なので、静まりかえった室内で手元にあった3DSを開き、プレイ途中の「とびだせ  どうぶつの森」がいつから放置していたのか分からないが、起動しっぱなしだった。

 

しずえの案内が終わった後「森」の中ではここでは間違いなくお目にかかれない、くっきりとした「オーロラ」が出ていた。しかも二重。更には流れ星が流れていて、なおさら現実離れした世界になっていた。

 

なんと自分が求めていた「星空」がここにあったのだ。実際にアイスランドとか行ったら見れるかもしれないが、そこに行かずともオーロラが堪能できてしまった。疲れ切って神経もおかしくなりそうな直前だったのも相まって、自然と涙が出て止まらなかった。

 

お気に入りの切り株に腰掛け、現実以上の夢を堪能しようとしたら、自分を見かけた大親友の「アマミン」が声をかけてきた。

 

しばらく入っていなかったので、引っ越しのフラグかと思いきや、自分の疲れを知ってかしらずか、何と「かくれんぼ」をしようと言ってきた。いつもは断るけど、なんか「アマミン」が誘ってきたと言うのが嬉しくて、ついつい乗ってしまった。アマミンはにやけた顔で自信ありげに

「遊んでばかりの僕に勝てるかなぁ??」と挑発してきたけど、この言葉が嬉しくてさらに涙が出てしまった。

 

そんなつもりじゃないのはわかっている。でもいつでも変わらず、「そこにいてくれる」いや「いるだけ」なのがありがたかったのだ。

 

仕事で孤軍奮闘し、1人で何もかも背負い、トップに居なければ「やる気が無くなった」と後ろ指を刺され、毎日毎晩仕事量は増え続ける毎日。

 

そんな中、彼らは自分が打ち立てた何もない村で、遊んでばかりいてくれたのだ。

雑草だらけの手入れもロクにされていないほぼ廃村状態の村で、村長の帰りを待っていてくれた気がしたのだ。いやそれじゃ失礼だ。確実に、「また来てくれる」と信じていてくれたのだ。

 

アマミンと他2人で、二重のオーロラが光る星空の元、なんて事のない村で、

幻想的すぎるくらいなただのかくれんぼをした、昔の記憶。